4月になってから登場した新製品のなかで最もスペックの高い「Radeon HD 6790」

ここにきてエントリーミドルからローエンドまでのラインナップが一気に揃った、AMDRadeon HD 6000シリーズ。4月になってから登場した新製品のなかで最もスペックの高い「Radeon HD 6790」については、発表に合わせてGPUレビューをお届けしているが、上位モデルたる「Radeon HD 6850」の補助電源コネクタが6ピン×1のところ、HD 6790のリファレンスデザインでは2基という構成になっていることと、消費電力のテスト結果からするに、補助電源コネクタは1基でも問題なさそうであることは、記事内で指摘したとおりだ。RMT
すると、玄人志向ブランドから、さっそく補助電源コネクタが1基となるHD 6790カード「RH6790-E1GH/DP」が登場してきた。HD 6790の導入にあたって大きなハードルとなる補助電源コネクタの数に、いきなり解決策が提示されたわけだ。
では、電源仕様の変更を果たしたHD 6790はどのような特徴を持っているのか。玄人志向から実機の貸し出しを受けることができたので、詳しく見ていくことにしよう。
HD 6790というGPUの詳細については先のレビュー記事を参照してもらうとして、本稿ではRH6790-E1GH/DPについて話を進めたい。
というわけで表1は、RH6790-E1GH/DPの主なスペックをHD 6790のリファレンス仕様と比較したものだ。早い話が、基本スペックはリファレンスとまったく同じ。違いは、冒頭でも紹介した補助電源コネクタの数と、カード長のみである。
カード長が実測約228mmというのは、リファレンスカード比で20mm短い計算だ。もっともRH6790-E1GH/DPの場合、搭載するGPUクーラーがカード後方に大きくせり出した構造になっており、基板自体のサイズだけでいえば、同215mmとさらに短いことになる。
取り付けられたGPUクーラーは90mm角相当のファンを搭載するものになっており、GPUとの接触面から放熱フィン部へ3本のヒートパイプが伸びるという、比較的シンプルな構造になっている。グラフィックスメモリチップは“剥き出し”なので、こちらの冷却はファンによるエアフロー頼みだ。 GPUクーラーを外してみると分かるのは、カード長こそ短くなっているものの、基板レイアウトはリファレンスカードのそれを踏襲しているということ。リファレンスカードにある「補助電源コネクタ近くの空きスペース」を省略することで、基板長の短縮化を実現しているようである。
なお、搭載するメモリチップはエルピーダメモリ製の「EDW1032BABG-50-F」なので、メモリチップにはかなりの動作マージンが設けられているといっていいだろう。
今回のテスト環境は表2のとおり。基本的にはGPUレビュー時とまったく同じだ。テストに用いたグラフィックスドライバも、やはりGPUレビュー時にAMDから配布された「8.84.2-110322a-115844E」となっている。
 テストに用いているCPU「Core i7-975 Extreme Edition/3.33GHz」に関して、「Intel Hyper-Threading Technology」「Enhanced Intel SpeedStep」は有効にしたままとしつつ、「Intel Turbo Boost Technology」を無効化しているのも変わっていない。
テスト方法は4Gamerベンチマークレギュレーション10.2準拠で、かつ、解像度を1680×1050&1920×1200ドットで揃えているのもHD 6790のレビュー記事と同じ。ただ、基本スペックが変わらない以上、3D性能に大きな違いがないことは容易に想像がつくため、今回は実行するタイトルを「3DMark06」、「Battlefield: Bad Company 2」、「Call of Duty 4: Modern Warfare」、「Just Cause 2」の4つに絞った。また、ここまでテスト条件が完全に同じため、HD 6790リファレンスカードのスコアはGPUレビュー記事から流用することにしているので、この点もあらかじめお断りしておきたい。
というわけで、気になる消費電力のテスト結果から見ていこう。ラテール RMT